現 職:
京都外国語大学大学院 外国語学研究科 博士後期課程 異言語・文化専攻
専門分野:
ブラジル文学
経 歴:
1979年 兵庫県加古川市生まれ
1994年 県立東播磨高等学校入学
1997年 同卒業
1998年 京都外国語大学入学
2001年2月〜2002年1月 フルミネンセ大学(リオ・デ・ジャネイロ)留学
2002年 京都外国語大学卒業
2002年4月〜2003年9月 リオ・デ・ジャネイロ連邦大学留学
2005年4月 大阪外国語大学大学院入学
2007年3月 同修了
2007年4月 京都外国語大学大学院入学
著 書:
『まずはこれだけポルトガル(ブラジル)語』
(田所清克と共著、国際語学社、2002年)
『すぐにつかえる日本語・ポルトガル語(ブラジル)・英語辞典』
(田所清克と共著、国際語学社、2002年)
『サッカーを愛する人のブラジル・ポルトガル語』
(田所清克、伊藤奈希砂と共著、国際語学社、2004年)
『アミーゴたちのことば ブラジル・ポルトガル語』
(田所清克、山本アケミと共著、金壽堂出版、2006年)
『すぐにつかえるポルトガル(ブラジル)語・日本語・英語辞典』
(田所清克と共著、国際語学社、2007年)
論 文:
「ブラジルサッカーに投影されたアフリカ文化に関する一考察」、大阪外国語大学大学院研究室(STUDIUM 33号)、2006年、pp.173-182
修士論文「ジョゼー・リンス・ド・レーゴの『消えた火』−主な登場人物に投影された狂気」、2007年、大阪外国語大学大学院 修士論文の要約
話題提供:
地中海文化研究会「文学作品に描かれたブラジルサッカー」/2007年7月12日(木)
新聞掲載:
2002年8月28日ニッケイ新聞
| 日伯友好の懸け橋にーポ語入門書を出版―日伯協会が教材に採用―リオ連邦大留学生ら執筆---------2002年8月28日(水) |
日伯友好の懸け橋に――。リオ連邦大学でブラジル文学を研究中の岐部雅之さんが、ポルトガル語の入門書『まずはこれだけポルトガル(ブラジル)語』(国際語学社)を出版した。恩師に当たる京都外国語大学ブラジル・ポルトガル語学科教授の田所清克教授との共著で、難解な文法を省き、実用的な例文と日常生活における単語に重点を置いているのが特徴。神戸市に本部を置く財団法人日伯協会が今秋に始めるブラジル教養講座でも、教材として採用される予定で、岐部さんは「ポルトガル語に関心を持った人が、ブラジルに目を向けてくれれば」と話している。
岐部さんは、阪神大震災で大きな被害を受けた神戸市で、1995年に開かれたジッコの講演会に参加。サッカーの「神様」が話す言葉を理解したいと、京都外国語大学でポルトガル語を専攻した。2001年にも1年間、リオデジャネイロのフルミネンセ大学に留学している。
日本では異例と言える学部卒業直後の出版のきっかけは、岐部さんを指導した田所教授だった。
これまでにもブラジル文学や文法書を数多く執筆している同教授に、国際語学社が分かりやすい入門書の作成を依頼。今年1月に一時帰国した岐部さんを中心に、田所教授が手助けする形で執筆が進められ、3カ月間で書き上げた。
「まずはこれだけ」とのタイトル通り、初心者が抵抗を感じないように複雑な文法を排除。日常のコミュニケーションに必要な例文や単語、構文を盛り込んでいる。
導入編では、アルファベットの読み方や発音について解説。構文編でも、会話で使う最小限度の文法にとどめている。
全107ページの半数を費やした実用編では、あいさつやホテル、交通、買い物など具体的な場面ごとに必要な例文や単語などを紹介。ネイティブスピーカーが吹き込んだ付属のCDで発音も確認しながら、目と耳で学習できるのも特徴。
田所教授は「安さと分かりやすさを両立させることができた」と愛弟子との共著に自信を見せる。
国内でも好評で、日伯の相互理解と友好親善を進める財団法人日伯協会で常任理事を務める多田義治氏の推薦で、今秋から始まるポルトガル語講座の教材として使用される予定だ。また、岐部さんの同級生で昨年サンパウロ大学に留学した青木義道さんが講師を担当する。田所教授を原点に巣立った生徒が共同作業で、ポルトガル語の普及に貢献する格好だ。
ライフワークの一つ、パンタナール研究のため、34回目の来伯を果たした田所教授は、サンパウロで岐部さんや青木さんらと再会。27日にはニッケイ新聞社を訪問し「自分の教え子と一緒に、日伯交流の原点となった神戸からポルトガル語を広めていけるのは幸せです」と発刊の感想を語った。
また、田所教授と岐部さんは9月10日にも日本語、英語、ポルトガル語の辞典を同社から出版する。
問い合わせは国際語学社(03・5966・8350)へ。 |
◆岐部主任研究員のコメント:
大学院では、北東部地方主義作家の一人として知られるジョゼー・リンス・ド・レーゴの『消えた火』(Fogo
morto, 1943)に焦点を当てて研究しています。「サトウキビ連作」の掉尾を飾る同作品については、文芸批評家のアントニオ・カンジドや、『ブラジル小説における地方主義運動の伝統』(A
tradição regionalista no romance brasileiro)の著者であるジョゼー・マウリシオ・ゴーメス・デ・アルメイダらによって、肯定的な評価がなされています。
そこで本年度は、物語の主要登場人物に表われた「狂気」をテーマに修士論文を執筆する予定です。「デカダンスの小説家」と題したエッセイの中で、アントニオ・カンジドは『消えた火』を“偉大な登場人物たちの小説”と定義づけました。実際、語り手によって物語が進行するというよりも、登場人物の間で交わされる対話やモノローグによって展開されていきます。『消えた火』の冒頭部分が、画家のラウレンチーノと馬具職人ジョゼー・アマーロとの会話で始まっていることも、それを示唆していると言えるでしょう。
ブラジル文学には、この『消えた火』の他にも優れた作品があまた存在します。そうしたものを翻訳や論文を通して日本語で紹介できるよう、これからも積極的に研究活動を行っていきたいと思っています。(2006年4月24日) |