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「10月3日(日)、ブラジルの全国市長・市議統一選挙」
10月3日(日)、ブラジルの全国市長・市議統一選挙が行なわれました。総人口の約66%にあたる、約1億2千万人の有権者が、5、562市・郡の市長と5万1千802の市議を選びました。ブラジルでは、1996年の全国統一市長・市議選挙以来、電子投票を実施しています。箱型の、パソコンを簡単にしたようなもので、候補者のナンバーをインプットすれば、画面に候補者の写真が現われ、「確認」のボタンを押せば、それで投票が終わりという仕組みです。投票に要する時間も少なくて済み、集計も内蔵されたHDを選挙集計センターのコンピュータにかけるだけですので、選挙当日の夜には、ほぼ結果が出る早さです。専門家も、投票の不正を100%防ぐことはできないが、以前の記名式投票に比べれば、信頼度は高いという点で意見は一致しています。
ブラジルの選挙法では、有権者数が20万人までの市・郡では、得票数第1位の候補者が今回の選挙で市長に選ばれますが、有権者数20万人以上の都市では、有効票の50%プラス1票を獲得する市長候補がいなければ、上位2位の候補者が約1ヶ月後に実施される第2回投票で市長の席を競います。
第1回投票の結果、現在ブラジルの政権を握る労働党(PT)と前与党のブラジル社民党(PSDB)が躍進し、ブラジル社民党は野党第一党としての地位を確立しました。リオデジャネイロ市は、現市長自由前進党(PFL)が50%をやや上回る票で再選されました。一方、激戦のサンパウロ市は、マルタ・スプリシ現市長(PT)とジョゼ・セーラ前大統領候補(PSDB)は、ともに50%以上の票が得られず、今月31日に実施される第2投票で決戦となります。ルーラ政権は、ブラジル最大かつ経済的にも最も重要なサンパウロ市の自党の市長を再選させるため、なりふり構わず必死ですので、その結果が見物です。
今回の選挙でも、いろいろなエピソードがありましたが、その一つをここに紹介します。北伯地方パラ州のヴィゼウ市の市長に立候補していた女性候補が同市の現女性市長とのレスビアンの関係が選挙最高裁判書により、合法的「夫婦」に値するものとみなされ、市長候補登録取消の判決が下されました。現市長は、既に8年間(2期)市長職にありますが、現行憲法では、引続き2期を勤める行政権の現職長を含めた親族が、その後任として同じ職に就くことを禁じているためです。ブラジル民法では、既に、同性愛の関係が「安定」した関係と見なされれば、夫婦関係と同様な権利が生ずることを認めていますが、今回は、その解釈を選挙法にも適用したわけです。発展途上国のブラジルは、最近までは夫婦の内、妻の浮気は刑法上では罪とされていた一方(但し、条文のみで、さすがに、実際に適用はされていませんでしたが)、同性愛関係の当事者を合法的に夫婦と見なすという、先進国並の一面も見られます。
(2004年10月6日筆)
特別研究員 蓮尾良昭
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