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「僕は"冷たい足"じゃない!」
「僕が応援するチームはなぜか勝てないんです」と話した友人に、「しかし、君は"pé-frio"だねぇ」と言われました。"pé-frio"は直訳すると"冷たい足"ということですが、ブラジルの俗語で"(応援する)チームに不幸をもたらすサポーター"という意味があるのです。『現代ポルトガル語辞典(白水社)』には載っていなかったので、留学時代に購入していた『Dicionário
popular de futebol : o ABC das arquibancadas』と『Dicionário
de futebol』で調べてみました。この2つの辞典は"pé-frio"を以下のように説明しています。
Torcedor, cartola, técnico, jogador, ou qualquer um
que, segundo a torcida, "dá azar" a uma equipe.
Jogador ou dirigente apontado como azarento.
さらに、ちょっと古いのですが、1973年に出版された『Dicionário da gíria
brasileira』にも、なんと"pé-frio"が載っていました!しかも、シンプルに一言。
Pessoa azarada.
この3つの文献をまとめると、サポーターだけでなく、選手や監督、フロントの役員までもが、"チームに不運をもたらす人"に含まれていることがわかります。
僕は、サッカー日本代表の監督を務めるジーコさんの影響で、日本では鹿島アントラーズ(今年でサポーター歴10年です!)、ブラジルではフラメンゴを応援しています。鹿島アントラーズは、Jリーグで唯一三冠制覇(リーグ戦、ナビスコ杯、天皇杯)を成し遂げた強豪チームですが、最近はタイトルから遠ざかり、ぎりぎりのところで勝てない試合が目立っています。そのアントラーズが関西のチームと試合をするときは、必ずスタジアムに馳せ参じるのですが、僕が昨年9月に帰国して、スタジアム観戦した3試合は、見事に3連敗・・・。その内訳は、2003年10月25日対ヴィッセル神戸(1−2●)、2003年12月27日対セレッソ大阪(1−2●)、2004年4月17日対セレッソ大阪(0−1●)。3試合で、わずかに2得点なんですよね・・・。「もし僕がスタジアムに行っていなかったら・・・」と考えても結果は変わりませんが、ここまで「偶然」が重なると、妙な責任感まで感じてしまいます。このエッセイを書いている今日、5月2日、鹿島アントラーズは、地元カシマスタジアムでヴィッセル神戸と対戦しましたが、2−0の完勝。しかも、ルーキー増田誓志選手のプロ初ゴールというメモリアル付き!「もし僕がカシマに行っていたら・・・」ついついこう考えてしまいます(笑)。
僕が"pé-frio"だという不名誉なレッテルを貼られるもう一つのデータが、残念ながらブラジルにもありました。今から3年前の2001年2月、僕は初めてリオの地を踏んだのですが、まだ右も左もわからなかった当時、フラメンゴはリオ州選手権で3連覇を達成するほど強いチームでした。本格的にこのチームを応援し始めたのは、それから間もなくのことで、フラメンゴがどんどん弱くなっていくのと「偶然」にも時が重なってしまったのです。2年連続でブラジル全国選手権2部落ち回避のための苦戦の試合が続き、聖地マラカナン・スタジアムでも全く勝てないチームと化したフラメンゴは、"Maracanãfobia"と新聞の見出しに書かれてしまうほどでした。"fobia"は「〜嫌い」という意味の接尾語で、"Maracanã"とくっつけた造語です。つまり、「マラカナン嫌い」といったところです。以下に興味深いデータを記します。これは、僕がマラカナンで観戦した試合です。
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日時
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対戦相手
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結果
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2001年8月8日
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パラナ
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0−1●
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8月15日
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スポルチ
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2−1○
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8月30日
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コリチーバ
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0−1●
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9月9日
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アメリカ・MG
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1−1△
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9月20日
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ヴィトーリア
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1−1△
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9月30日
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ガマ
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1−2●
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10月6日
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ヴァスコ
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1−5●
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10月10日
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ボタフォゴ
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2−2△
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11月4日
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フルミネンセ
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0−1●
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11月11日
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ポルトゲーザ
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0−2△
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2002年8月15日
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ジュヴェントゥージ
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0−0△
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8月18日
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ゴイアス
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1−1△
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全12試合で1勝6分け5敗(実はこれはほんの一部に過ぎず、実際には20試合以上観戦しています)。この唯一の勝利の日(対スポルチ戦)以外は、実は観戦に行っているんですねぇ・・・。どういうことなんでしょう。対ヴァスコ戦なんて、最後まで試合を観ないで帰りましたよ!1−3の時点でスタジアムを後にしたのに、家に着いて結果を聞いたら、ロマーリオのハットトリックを含む5失点。最後までいたら間違いなく、暴動に巻き込まれているところでした。偶然にしてはあまりにも酷すぎるこの事実。そんなフラメンゴは今年、リオ州選手権で宿敵ヴァスコ・ダ・ガマを下し、3年ぶりにチャンピオンに返り咲きました。「もし僕がリオにいたら・・・」あぁ〜、恐ろしい!
話しは日本に戻りますが、現在、鹿島アントラーズは5位です。期待の元ブラジル代表ファビオ・ジュニオールは今だ無得点。アシストはしていますが、フォワードはやはり得点を取ってなんぼのもの。ボランチのフェルナンドは得点を決めています。去年までアントラーズにいたエウレルは、新天地サンカエターノでサンパウロ州選手権の初制覇に貢献しました。頑張れ!ブラジル人選手たち!!
今月29日、神戸ウイングスタジアムに鹿島アントラーズがやって来ます。ナビスコ杯の試合ですが、このスタジアムには行ったことがないので、先日インターネットで調べました。「お前、それでも行く気なのか?」という声が聞こえてきそうですが、落ち着いて下さい。その日はどうやら仕事が入りそうで、行けるかどうか怪しくなっているんです。アントラーズの選手たちはさぞかしほっとしていることでしょう(笑)。関西にいるサポーターの皆さん、安心してスタジアム観戦してください。必ず勝ちますよ。僕は行けませんから。
これほど否定的なデータを並べても、僕は"pé-frio"ではないと信じています。Jリーグ第2ステージで鹿島アントラーズは万博(対ガンバ大阪)と神戸(対ヴィッセル神戸)にやって来ます。仕事が絡まない限り、満を持してスタジアムに駆けつけます。ジンクスを破るため??いえいえ、チームが勝つためです。チームの勝利に酔いしれるために行くのです!そしていつの日か"pé-quente"と呼ばれるために・・・。
最後に、"pé-frio"っていかにもブラジルらしい表現ですよね。ブラジルはサッカー王国ですから。でも、もしブラジルが野球王国だったら"braço-frio"なんていう表現も生まれていたかもしれません。幸か不幸か、僕は特に好きなチームは野球にはありません。もし僕が阪神を応援し始めたら・・・。いやいや、そんなことはしませんから、阪神ファンの皆さま、引き続き熱狂的な声援、頑張ってください。
2004年5月2日
研究員 岐部雅之
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