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2.ヘビは食わずに…
西暦1500年、ポルトガル人により発見される前からブラジルに住んでいた主なる動物は猿、オンサ(ジャガー)、それからアンタ、つまり貘。この貘については後日お話ししたい。狐もいた。ポルトガルではラポーゾといって日本にいる狐と同じものだが、ブラジルのは、名はラポーゾだけども似て非なるもの。犬はいた。犬は1万5000年から2万年前、ベーリングの冬の海狭をアジアの民がアメリカに渡ってきて以来の、切っても切れぬ深い仲である。猫、羊、山羊、鶏、馬などは、この国発見後に入ってきた。それから牛、この牛についても後日述べる。発見前の果物はなんと言ってもバナナ。それから日本ではほとんど知られぬカジュやゴイアバ。野菜類の大部分はポルトガル人始め諸外国人がこの国に持ち込んだ。我ら日本人も勿論一役買い、例えばゴボウがその一例。ブラジル原住民の食生活の貧しさは辺境の地に行けばうかがえるが、主食はマンヂオカ芋と米。この国発見以来、サン・パウロ州などの奥地の貧しい人達は、サラーヴァという大型の菜切り蟻常食とする。羽をむしり取ってコンガリと焼いたのは結構いけるそうだ。今でもウジムシを常食とするインディオ達もある。毒蛇は土人や物好きなブラジル人も食べるが、昔は日本人も。これは食品としてのほか、精力増進を目的としていたらしい。この目的達成に努力し過ぎ、「毒蛇は食わずに毒蛇研究所へ送られたし」との当局からの要請が日本人コロニーに向け発せられた。
主幹 田所清克
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