9.ブラジル薬草十一選

 国土広大のせいもあろうが、ブラジルは薬草の宝庫といわれる。ここに紹介する薬草のすべてがこの国特有のものであるか否か、またその薬効のほども自分で効用したわけでもないので、無責任のようだが保証の限りではない。薬草に限らず、およそ薬は効き目著しいものでも少なすぎては役に立たず、多すぎてはモトもコもなくなる。適正に服用し、あわせて養生を怠らぬことが大切らしい。服用で思い出したが、知人の倅に某一流国立大の学生がいる。体調をくずし、薬を買ってきた。服用上の注意書きに食間とあるからといって食事の折り、一口飯を食っては薬を一錠飲む。「なんば、しとっとか、こんバカたれが!」と九州弁で母親から怒鳴られた。こういう学生が大学を出て役人になったりすると、法規一点張りで庶民は悩まされる。多種多様のブラジルの薬草の中にもこういう秀才に付ける薬はあるまい。
 この稿は各回六百三十字と決めている。余談は慎まねばならない。では行こう。

マンジェリコン

糖尿病に特効あり、この病気が高進し失明間近になったものによく効く。膵臓から出るインシュリンの分泌を促進する由。

ボルド・ド・チレー

インディオの葉とも呼ばれる。神経痛、貧血、腎臓病にすごく効く。

ケブラ・ペドロ

訳せば『石砕き』。名のごとく内臓の胆石を砕く。

アベンカ(アカンベェにあらず)

観葉植物。食欲不振、通経、関節炎、気管支カタル、リュウマチなどに。

カンバラ

主に心臓病その他万病に卓効あり。あとは次回に譲る。

 

主幹 田所清克

 

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