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「ブラジルの妖怪 Part2」
今回は、ブラジル全土に知れ渡っている妖怪、お化けを紹介。その中には、前回すでに紹介済みのものもありますが、内容が大きく違うので、再登場してもらうことにしました。
クルピラ、もしくはカイポラ
ブラジル発見の時からすでに存在する妖怪(すなわち年齢500才!)。当時のインディオやイエズス会宣教師たちの間で、カイサラと呼ばれていた狩猟と森の保護者。
髪の毛は赤、皮膚と歯の色が緑色の小人で、森と動物を守ることから、自然を破壊する者や快楽のために動物を殺す人間を懲らしめるんだそう。
クルピラの足は、後ろに反り返っている。そのわけは、足跡を残さないため。それどころか、偽の足跡をつけて、追ってくる人間をだまして、挙句の果てには、道に迷わせ、二度と森から出られないようにする。また、人間の声を真似て、人を誘い出したりもする。この妖怪は、クルピラとかカイポラ、とも呼ばれ、インディオ、グアラニ族の間では、この妖怪のことを森の悪魔と呼んでいる。
宣教師、アンシエッタ神父の1560年にポルトガル宛に出された手紙にもクルピラのことが書かれていて、森にはこの妖怪がいて、インディオを襲っては、鞭でたたき、怪我をさせる。インディオは、彼の怒りをかわないように、森に羽やむしろを供えると。
ブラジルの森に行く時は、タバコを一本持っていくことをお奨めします。この妖怪に出くわした場合のご機嫌取りのために。
ボイタタ1
火の玉の目玉お化け。夜行性。伝説によると、ボイタタは、もとは大蛇だったそうで、大洪水に見舞われた時の、唯一の生き残りなのだそうだ。洪水を逃れて、洞穴の中に入ったが、そこがあまりにも真っ暗だったため、目だけがどんどん大きくなったとか。そして、その時から、動物の遺体を求めて、さ迷っている。
時には、蛇の姿をしていることもある。頭一杯が目。その目は炎でできていて、夜、外を歩いている人を襲撃する。また、ただの火の玉として出現することもある。
ボイタタ2
悪い人の魂だとか生前苦しんだ人の魂だともいわれ、それが通るところには火事が起きる。あるいは、その正反対で、森を火事から守る保護神だとも言われている。
ボイタタ3
深い川に住む大蛇と言われている。全身が火で覆われている。川を渡ろうと水に入った動物を襲い、目を食べる。生き物の目には大蛇の火をさらに強くする効果があるらしい。妙にきらきら輝いている川を見つけたら、ご用心。ボイタタが潜んでいるかもしれません。
ボイタタ4
別の言い伝えでは、ボイタタは鼻と口から火を吐く牛だとか。
マチンタ・ペレラ
マチンタ・ペレラは、鳥だといわれているが、その生態は謎である。どこから来るのか分からない鳴き声。マチンタ・ペレラの正体は、実は、サシだとも言われている。また全身黒い服を着て、頭巾をかぶった老婆の時もある。月のない真っ黒な夜に現れるとか。一人でいるときにその老女に会うと、彼女は甲高いきんきん声をあげる。その声は、マチンタ・ペレラと聞こえるらしい。
インディオ、トゥピナンバ族の間では、この鳥は黄泉の国から遣わされたメッセンジャーで、親類の死を意味するらしい。
マチンタ・ペレラの正体を知りたい方は、次のようにするといい。その叫び声を聞いた者は、マチンタ・ペレラを朝食に招待すること。翌日、朝一番に朝食を食べに、家に来た人、それがマチンタ・ペレラである。ただし、この妖怪は魔力を持っていて、人を病気にしたり、痛みを与えたりするからご注意あれ。
狼男
伝説では、女の子ばかり、七人の子供を持つ家庭で、8番目に生まれた子供が男の子だと、その男の子は、狼男になるそうだ。あるいは、神父との間にできた子供が男の子だと、そうなるとか。
その子供、小さい頃は、他の子供と何ら違いはないのだが、いつも顔色が悪くて、痩せていて、おまけに耳が異様に長い。
13歳の誕生日を迎えたとき、呪いは始まる。
13回目の誕生日を過ぎて、最初の火曜日か金曜日の晩、初めて狼男に変身し、月に向かって吼える。ウォー!
それから毎週火曜日か金曜日、犬の群れを引き連れて、人気のない道を走り続ける。7つの教会、7つの村、7つの四辻を通るらしい。狼男が通過するところでは、犬が襲われ、道や家の電気が消える。
日が昇る前、鶏が鳴く前に、狼男は変身した場所へ戻り、人間の姿に戻る。道で狼男に会った者は、身を守るために祈らなければならない。
その呪いを解くためには、狼男に気づかれないように近くにより、頭を強く殴ること。でも、もし狼男の血が一滴でもかかったら、その人も狼男になるからご用心。
ムラ・セン・カベッサ
小さな集落、あるいは町の構造が、教会を中心にその周りを家が囲んでいるところでは、ムラ・セン・カベサが出現する可能性がある。また、真夜中0時に十字架の前を走って通り過ぎる人がいれば、この妖怪は現れるとか。ムラ・セン・カベサは、神父と恋愛関係に落ちた女性が、呪いをかけられた果ての姿だそうだ。木曜日の晩に、彼女は現れる。
ムラ・セン・カベサの習性:7つの村を駆け巡ること。もし、途中でだれかに出くわしたら、その人の目と指に吸い付く。名前には、「頭なし(セン・カベサ)」とあるが、遭遇者によると、頭はきちんとあり、鼻と口から火を放ち、口には鉄のくつわを嵌めている。
ムラが現れる夜は、駆足といななきが聞こえる。そのいななきは、あたかも人が泣いているように聞こえるそうだ。ムラに遭遇した者はうつ伏せになり、狙われないように爪と歯を隠さなければならない。
彼女の口のくつわがはずれれば、呪いはとけ、人間の姿に戻り、永遠に呪いから解放される。
午前0時の女
これは最近のお化けで、赤い婦人とか、白い婦人とも言われている。このご婦人、アメリカやヨーロッパ各地で出現しているとか。
美人で、たいてい赤い服を着ているが、白い服のときもある。死んだことを自覚していない、浮かばれない魂だと言う人もいれば、殺害された若い女性がその時からさ迷っていると言う人も。
本当は、この人、午前0時に現れるのではなくて、この時間に消えるのだ。彼女の手口は、バーで一人で飲んでいる男性に近寄っては、家に誘う。美人の誘いに乗らない男性はいないので、もちろん即座にOK。しゃべりながら歩いていると、やがて目的地に到着。高い堀の前で突然立ち止まると、彼女は、男にこういうのだ。「ここが私の家。」その時になって初めて、男は墓地に来ていることに気付くのだ。彼が何か答える前に、彼女は消えてしまう。ちょうどその時、教会の鐘が午前0時を打つ。
またこの女性、人気のない道に出現し、ヒッチハイクもするとか。そして、乗せてくれた人に彼女の家まで連れて行ってくれるように頼む。この場合も、墓地の前に着くまで男性は気づかない。彼女は甘い優しい声で、「ここに住んでるの。ねえ、よって行かない?」
やはり、午前0時になると、すっと消えてしまう。
アニャンガ
目が火の玉の鹿。狩人をだます。たとえば、獲物と思って撃ったところ、実は狩人の大切な人だったいう具合。姿は鹿だが、実はアルマジロ、ピラルク、亀、犬、あるいは人間の幽霊だと言われている。
イアラ
別名をマンイ・ダ・アグア(水の母)。とても美しい女性で、髪の毛が異様に長く、森の泉に住んでいる。月夜に歌を歌うのだが、その声はとても美しく魅力的なため、それを聞いた男はたちまち彼女に惚れ込んでしまい、恋焦がれたあまり、死んでしまうと言われている。
イアラが死ぬと、その泉は枯れる。
参考ウェブサイト:
http://www.ifolclore.com.br/lendas/index.htm
http://sitededicas.uol.com.br/cfolc.htm
研究員 山下豊子
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